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tiny sparrow

日々のつぶやきと萌え語り ・・・・・・・・・・・・・・・ 時々BBSでもつぶやいてます φ(・ω・)                                

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以下はkiri様の小説を読んでの私の勝手な解釈です。
kiri様の意図されたことと違う点もあると思いますが、感想文ということでご容赦下さい。



kiri様の小説「愛なんぞ、くそ喰らえ」の主人公、明良。

明良と亨の関係ってとても歪んでいたので、明良がこの恋愛から得たものにポジティブなものってあったのだろうかと思ってしまう。
得たもの、あえて言うなら、欲望に素直になること?
この欲望は性的な欲望に限定されちゃうかな。
人と人が付き合っていくうえで大切な、思いやることや労ること、そういうお互いを大切に思うというところを、全部すっ飛ばしちゃった関係。
最初のほんの僅かな蜜月期間の後は、お互いに自分の気持に蓋をして仮面をつけたまま付き合っていたような感じじゃないだろうか。
明良は亨への感情を素直に出していたんだろうけど、亨は意識してそれを受け流していたから、明良は諦めてしまったんだと思う。
そして、男同士の関係に未来はないという亨の刷り込み。
仮面をとって素顔になるのは抱きあう時だけ。
その時にも亨は愛を口にしない。
いつも心がヒリヒリするような、ギリギリのところでせめぎ合っているような関係。
満たされないからこそ、明良はいつも愛を否定しながら強く欲する。
思いやるとか、そんな余裕のない、歪んだ愛情関係。
明良は無条件の愛情というものを知っているけど、亨はどうだったんだろう。

ドラマなどでよく「あなたのことを信じているわよ」と、親が子に言ったりする。
何か悪いことをしたという疑いがかけられた子供に親が言う台詞。
これってとても過酷な言葉だと思う。
この場合の「信じている」は子供を信頼して無条件に受け入れている、というものではない。
親が正しいと思うレールの上を間違いなく進むあなたを信じているのであって、そこから外れて間違いを犯したあなたは、認めることが出来ない、もっと言うと、間違いを犯したあなたは受け入れられない、愛していない、ということではないだろうか。
それは子供にとって「ありのままの私は愛してもらえない」ということだと思う。
亨はたぶん、間違いなんて犯すはずもないから、ドラマのような場面に遭遇したことはないと思う。
だけど弱かったり、くじけたり、泣きたかったりする、素のままの自分を誰かから受け入れてもらったことはあるのだろうか。
もしないのだとしたら、そんな亨に相手を受け入れ思いやる関係が築けないのは無理もないことか。
ただ欲して、相手を自分のコントロール下に置き、こんなに愛していると縛り付ける。
そんな愛に晒される明良にも、思いやる愛情など無縁のもの。
亨の恐怖は、男である明良の魔性に溺れることではなく
ありのままの自分に向けられる明良の真っ直ぐな愛情だったのだろうか。
そんな愛情を受け止めるということは、なんの付加価値もないひとりのただの男としての自分に向き合うということ。
ありのままの自分を押さえつけられて育った亨には、
それは甘美であると同時に恐怖でもあったのか。

お互い強い思いを抱きながら、いつも虚しい明良と亨の関係。
男同士であるということ以上に、亨が背負ったものの大きさがそうさせるのだろうけど、
素の部分での人との交流がないことが、同じくらい影響していると思う。
地元に溶け込むために通った公立の中学でも、腹を割って話せる友人はいなかっただろう。
中学くらいじゃ、まだ親友なんて呼べる友人に巡り逢えないかも知れないが、
高校、大学ではどうだったのだろう。
友人はたくさんいただろうが、利用できる駒としか見ていなかったのではないだろうか。

一方、いつだってありのままのひとりの男である洋平。
洋平には亨が背負っているような宿命がないのだから、比べようもないのかもしれないが、
洋平は、素直に喜び、怒り、悲しむ。
洋平は明良をただ甘やかしただけじゃない。
心のキャッチボールが、毎日をどんなに豊かに彩ってくれるか明良に教えた。
一方的に与えるだけでも、奪うだけでもない。
思いやる心が、育む愛。
関係が壊れてしまう、愛する人に捨てられてしまう、そういう不安に揺れていた明良。
でも洋平の愛に包まれる日々の中で、明良にも思いやる心が育っていった。
洋平の笑顔を見たい、それは洋平を幸せにしたいという気持ち。
明良の中に芽生えたのは、捨てられてひとりぼっちになってしまう不安ではなく、
洋平を不幸にしてしまうかもしれない不安。
それは愛する人を思うがゆえの不安。
自分の苦しみだけに揺れていた明良が、愛する人の幸せを思って揺れる。
いつも揺れてばかりで進歩がないようにみえる明良だけど、
彼は洋平と付き合うことで確かに成長している。
成長したことによってまた揺れてしまう明良だけど、それは避けては通れない道なのだと思う。
自分の幸せだけを乞い願ううちは、幸せなど手に入れることはできないのかもしれない。
そうして、揺れて苦しんで、本当に大切なことに気付くのかもしれない。
洋平がいたからこそ、明良は成長できた。
明良を成長させた洋平だけど、今の彼には明良の本心は分かっていない。
でも、全てを理解することが愛じゃない。
理解できないからこそ、考え、思いやり、分かち合っていくのだと思う。
洋平の愛が明良にもたらしたものは、明良に振りかかる苦しみを糧にして
ひっそりと熟成していくだろう。
この物語の主人公は明良であり、明良のこの熟成が必要不可欠なんだと思う。
明良が成長し、それによって亨も洋平もまた成長してゆく。
すべてが絡まり合って、運命の輪がまわってゆく。


人は人との交わりの中でこそ成長してゆくものなんだろうなと、改めて思うkiri様の物語です。
明良のことを書こうと思い書き始めたのですが、気付けば亨のことばかり書いてしまってました。
亨って複雑だからいろいろ考えちゃうんですよね。

で、考えてみると、明良の中には美しい思い出がいっぱいつまっていると思うんです。
亨とのことだって辛いことばかりじゃないし。
そんな明良が幸せになれないわけがない。
極端な話、亨と洋平が突然死んでしまったとしても、明良はきっと幸せを掴む、と思っている私です。
相変わらずまとまりなく要点がずれてしまってる文章ですが、最後までお付き合いくださって、ありがとうございました。




4/22 秘コメさま

コメントはいつでも出来る時で構いませんよ~。
私も次の記事、いつUPするか分からないですし。
時間のある時に書きたいこと思う存分書いて下さい。
またコメントお待ちしてます


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無題

わーー!

せっせと書いていたら・・、コメが消え・・・。
ショック~~!です。
やり直し。(思い出せるかしら・・汗)。

明良は、ここまで与えられてきた人生でしたね。
父親から、亨から、洋平から。
みんな彼を愛していて、欲していて。笑顔でいて欲しいと思っていた。

何時から諦める人生を歩き始めたんだろう・・?
それでも洋平と居る時は幸せそうに笑えたのに。


亨と明良。
魅かれあい、離れがたかったのは、ともに孤独だったせいでしょうか?
立場は違ってもだれにも頼れない場所に居る二人。

素の部分を全部曝け出せない・・・・二人。

奪うだけでなく、与える事が出来ると気付いたら、抱えているものも少しは楽になれるのかなあ。

亨に魅かれるのは隠れた部分が稲妻のように現れる事があるからなのかもしれません。


・・・もしかしたら、齢のせい(半世紀経っちゃってます・汗)?


そして洋平もこれから人生の日影の部分を知る。
早くイイ男になって亨と競って欲しいものです。

’瀬をはやみ 岩にせかるる 滝川の 割れても末に 会わんとぞ 思ふ’

これは百人一首、祟徳院の歌です。

いつか明良と寄り添うのは、どちらでしょうね。












Re:無題

ますみさま

やり直し、ありがとうございます。

与えられる愛というのも大切だと思います。
愛された経験というのは、結構生きる力になるものです。
明良の場合、諦める人生とは少し違うと思います。
あの時点では、亨のゴリ押しもあったけれど、明良はやっぱり洋平に幸せになってもらいたいという気持ちが強かったような気がします。
洋平との暮らしを諦めたというより、洋平の幸せを選んだ。
そして流される明良も、諦めているのとは違うと思います。
さだまさしの「吸殻の風景」という歌に
「風の日には誰だって目をつぶるわ」という歌詞があります。
闇雲に頑張って傷つくより、流れに逆らわず身を守ったほうがいい時もあるんだと思います。
人生、押していくばかりじゃだめなこともあるってことかな。

亨に明良以外のよりどころがあったら、向井みたいな友人がいたら、もう少し話の流れは変わっていたでしょうか。
でも亨には明良しかいなかったんですよね。

’瀬をはやみ 岩にせかるる 滝川の 割れても末に 会わんとぞ 思ふ’
この激しさは、亨にこそ相応しい歌のような気がします。

どちらが寄り添うにしても、三人ともまだまだですよね。

コメントありがとうございました

成長

志緒様が色々解釈つけてくださって、愛なんてを深く読んでいけるように思います。頭ではイメージしていても言葉にするのって難しいので、有難いです。
ここまでkiri様の作品を熟考されているなんて、凄いですよね~

明良は洋平のお陰で成長でき、これからもっと考え強くなる。
洋平はこれから成長して力を付けて行く。

私は亨は惹かれる部分もあるけど、あまり惹かれたくない、知りたくないって何となく思ってしまいます。
知ると傷ついてしまいそうなオーラも持っている人に、近づきたくないような所に似ているかも。

志緒様、「ちはやふる2」は見てますか?ますみ様が百人一首を書かれていたのでつい・・・
今期の「RDG(レッドデータガール)」にも 「ちはやふる2」にも宮野真守さん出演されています♪
あと、「カーニヴァル」と「翠星のガルガンティア」を今期は見ようと思っています。
うた・プリ2はまよいどころ・・・
志緒様はどうされてますか?

Re:成長

蝶丸さま

ぐちぐち考えちゃうんですよね。
それで考えたことで頭がいっぱいになってしまうんで、こうして吐き出しています。
若い頃から変にいろいろ考えてしまって、そういう考えは年寄り臭いと言われてショックだったこともありました
今は本当に年寄りなので年寄り臭くてあたりまえです。

私もリアル亨には近づきたくないですが、まったく別世界の人なので向こうが近づいて来ないでしょう。私はオタクだし(笑)

「ちはやふる」は北海道のTVでやってないので見ていません。
「RDG(レッドデータガール)」「カーニヴァル」と「翠星のガルガンティア」は見ています。
「翠星のガルガンティア」は脚本が虚淵玄なので注目しています。
うたプリはニコニコでコメントも同時に見て大笑いしながら見るといいかも。
歌のシーンはアイドルのステージを見てるようで楽しいですよね。
ただヒロインの娘の目の色が生理的にだめです。どうにかしてほしいです。
「働く魔王さま」がとっても面白いですよ。
あと、「アザゼルさん」も好きです。バカバカしいのって結構好きです。

コメントありがとうございました


明良の強さ

また悪推会♥の会長より知らせて頂き、参上(笑

今回は、明良について掘り下げて頂き、有難いです!

色んなキャラがいて、こうして一人をテーマにして考えるのって、また違った角度から見てるようで嬉しいですね。

明良は、とても複雑な子。
弱いんだか、図太いんだか、繊細なのか、よく分からないですよね。
ただ、私的にこの子の特徴として根っこにあるのは「漂うが故の強さ」です。
あとは、書いてる内に色々とその時によって様々なんですけど。

下手に足掻かない。
大きな波が来ても、多少手足をバタバタさせることはあっても、それをピタリと止めることが出来る。
溺れないようにするには、それが一番だって本能でわかってるような感じと申しましょうか?
ココが多分、読者様をイライラさせたり、情けないと思わせたり、弱いと思わせる処だと思います。
でも、私はそれが彼の「強さ」だと思って書いてますけどね(笑
波に漂って…体力を温存して、ウダウダと要らないこと考えてネガになったり。
けど、その時が来たら、毅然と泳ぎだす。
そういうイメージです。

寄ってくる男達に対してもそうでした。
幼い頃から虐められてる時も、どうすればそれを回避出来るかを知り、それを意味も深く考えず、使った。

ココの部分が分からなければ、きっと、本当に情けない弱いだけの男だと映っても仕方ないですけど。

隼や秋也とは違う、見た目ではわからない「強さ」を描いてみたかったんですよね。
遠まわしすぎて伝わりにくいと思いますけど(苦笑

だから志緒さんの言われてる、最後に亨や洋平が居なくなった処で、彼はしぶとく生きていくと思います。
泣いて彷徨うけど、自分を傷つけたりは絶対しない。
基本的に私、自分を傷つけるっていうのが、どうしても書けません。否定はしないけど、書けない。
どんなお話を読んで「良い」と思っても、そういうシチュになるとサーっと冷めてしまうんですよね。何故か…。謎です。
過去にそういうことがあった…ってのは大丈夫なんですけどね。
こういうとこチキンなのよね、きっと。
私の作ったキャラですが、こうして色んな方の頭の中でそれぞれの性格になっていってるってのも、嬉しいです。
どれが正しいも間違いも無く。
それぞれの明良で良いと思ってます。

長々と、自分のキャラについて語ってしまいました!爆

Re:明良の強さ

kiriさま

明良のこと書こうと思ったのに、何だかいろいろごちゃごちゃになってしまいました

明良って、私はそんなに弱い印象はなかったです。
亨が浮気繰り返してた時だって傷ついてはいたけど折れてはいなかった。
強いわけじゃないんだけど、どうにもならない弱虫でもない。グラグラしますけど。
明良の本当の芯の部分は亨より強いんじゃないかとさえ思える。
人生、逃げて遠回りしなきゃならない時期もありますよね。
強ければいいとか、弱ければだめとか、一概に言えないんじゃないかって思います。

>明良は、とても複雑な子。
>弱いんだか、図太いんだか、繊細なのか、よく分からないですよね。
この複雑なところと自然に身につけた処世術が明良の美貌と相まって、魔性になっているんでしょうかね。

>隼や秋也とは違う、見た目ではわからない「強さ」を描いてみたかったんですよね。
>遠まわしすぎて伝わりにくいと思いますけど(苦笑
大丈夫、きちんと伝わってます。

明良のことを書こうと思ったのに他のことばかり書いてしまっていたので
作者直々に沢山語っていただいて、とっても嬉しかったです。
ありがとうございました


明良

ふふふ、今までで一番グダグダな主役やけど、実は世間を生きるのに最強かもしれないお方ですね。
確かに側で見てたら、あー、イラチつくわっ‼
て、怒りたくなるわ、向井クンみたいに。
でも、何でもかんでも逆らったり、突出するより、流されて生きる方法も有りますよ。
どっちが正解なんではなく、最終的に何処に辿り着くか、なんですよね。
小さい頃から必然的にそういう生き方を身につけた明良くん。
いつか、支流で自分の流れる先を決めますよ。
きっと。

Re:明良

優さま

>確かに側で見てたら、あー、イラチつくわっ‼
>て、怒りたくなるわ、向井クンみたいに。
そうですよね。
でも、実際人って10年でも20年でもふらふら彷徨うんですよ。
時には一生。

>どっちが正解なんではなく、最終的に何処に辿り着くか、なんですよね。
そう、今起こったことがとっても不幸なことだと思っても、後になってみると、あれは幸運なことだったと、幸と不幸が逆転することだってあるんです。
分かりやすい例だと、飛行機に乗り遅れて最悪、と思っていたらその飛行機が墜落したとか。この場合乗り遅れたことは幸運ですよね。
だから人生って最後の最後までわからないんじゃないかと、最近思います。

明良がたどり着くのはどんな人生なんでしょうね。

コメントありがとうございました

sparrow

Alas I'm not a tiny sparrow
I have not wings nor can I fly
And on this earth in grief and sorrow
I am bound until I die

ああ 雀でもなく翼も持たない私は
飛ぶことなど叶わない
そして 悲しみと嘆きの大地に
命尽きるまで縛り付けられる

PP&MのTiny Sparrowの一節です。
優しくて哀しい歌です。
この歌のタイトルをブログタイトルにしました。

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